Webライターは場所や時間の自由度が高く、また、始めやすいことから、近年注目度が高い職業です。実際、家庭と仕事の両立を目指したり、副業に始めたりと、日々いろいろな方がWebライターを始めています。
しかし、一方でWebライターはきついという声が一定数あるのも事実です。では、その理由は何なのでしょうか? 仕事内容を知らないと、イメージが付かない方も多いと思います。
そこで、この記事ではWebライターがきついと言われる理由と、実際の働き方、さらにWebライターの実情などについて紹介していきます。
Webライターは「誰でもできる」は嘘ではないが…
Webライターという職種は、始めるのに資格がいらず、未経験OKの仕事も多く、また、案件数も多いなど、誰でも始めやすい環境が揃っています。例えば、クラウドソーシングや求人サイトを覗いてみると、Webライター募集の文字がたくさん見つかるはずです。
とはいえ、これは“ある程度の仕事”までに限られます。誰でもできる仕事ということは、専門性が低く、能力を求めない仕事ということなので、高単価は望めません。もし、月15万円や20万円を稼ぎたいと考えたら、物量で稼ぐ必要が出てきます。
Webライターを続けるための課題はここにこそあります。物量でカバーし続けるのか、専門性を身に着けて高単価の仕事を獲得するのか、それとも別の方法で単価を上げる工夫をするのか…。無理なく仕事を続けるために、将来を見据えた単価を上げる努力をしなくてはならないのです。
Webライターは自分と向き合い続ける仕事
SNSを覗くと、一見して順風満帆に見えるWebライターがたくさん見つかると思います。しかし、彼らにも「もうやめたい」と思った瞬間が何度となくあったと思います。
Webライターとは、日々文章をコツコツ生み出す仕事で、その多くがクライアントワークです。クライアントの希望に応えられなかったときや、誤字が続いたとき、仕事を切られてしまったときなど、意外とメンタルにダメージを負う瞬間は多いです。特に、仕事に慣れてきて「自分ってできるのでは?」と思い始めたタイミングでするミスは大ダメージです。
仕事柄、一人で取り組むことがほとんどなので、相談できる人がいないと自分で抱え込んでしまい、動けなくなってしまうこともあるかもしれません。また、そんなときに周囲の人が上手くいっていると余計に辛くなります。
しかし、Webライターを続けるには、これらのダメージに向き合う必要があり、また、それらを糧にして先へ進まなくてはいけません。
自分のミスを認められることや、つねに成長しようと努力すること、自分を自分で認めてあげること。これらを日々自問自答しながら、Webライターは今日も記事を書き続けています。
Webライターに大切なのは目標設定とメンタルケア
Webライターを始める前に覚えておきたいのが、Webライターは自由だからこそきついということです。目標を定めないとどこまででも自分を追い込んでしまうため、適切な目標設定は本当に大切です。
Webライターでどれくらい稼ぎたいのか、自分で仕事を取るスタイルのため、その額は個々が自由に決められます。お小遣い稼ぎをしたいのか、家計の足しにしたいのか、それともガッツリ稼ぎたいのか、このポジションを明確にし、自分のメンタルをコントロールしましょう。
もし、なんとなく稼げそうだと思って始めて、想定より稼げなかった場合、「自分が無能なのではないか」と自らを責めてしまう可能性もあります。
しかし、最初から「お小遣い稼ぎをしよう」と決めておけば、月1~2万円でも問題ありませんし、無理に難しい仕事に取り組む必要もありません。自らに課すハードルをどこに設定するかで、メンタルの整え方も変わってくるのです。
そして、「ガッツリ稼ぎたい」と考えているなら、その目標に正面から向き合うことで、自分を奮起させることに繋がります。腹を据えた人間の行動力とは驚くべきもので、「やるぞ」と決めたら行動力が急に上がったという経験をしたことがある方も多いはずです。
ただし、つねに逃げ道を用意しておくのも大切です。仕事が上手くいかなくても、人には向き不向きがありますし、クライアントに恵まれなかったり、時の運に嫌われることもあります。
Webライターは始めるも辞めるも自由なので、自分の逃げ道をなくしてしまうことだけは避けてください。
ちなみに腰もやりがちなのでお気を付けを。
Webライターをやめたくなる瞬間
ここからは、Webライターをやめたくなる瞬間の、代表的な事例を見ていきましょう。これから始める方は、リスク管理として覚えておいてもらえると幸いです。
クライアントから理不尽な扱いを受けた
クライアントは必ずしも良い人ばかりではありません。なかには、都合よく仕事を発注してきたり、こちらの善意に付け込んできたりする人もいます。特に仕事の塩梅が分からない初心者は注意が必要です。
例えば、契約内容にない仕事を振られ、断ったら報酬を払わないと言われたり、職歴や性別などを理由にして見下されたり、あとから仕様をいろいろ追加してきたりと、その種類はさまざまです。また、支払いでトラブルになるケースもあり、催促してもなかなか原稿料を支払わない場合や、報酬が未納のまま連絡が取れなくなる場合などもあります。
これらの問題には、個々が日頃から自衛する必要があります。Webライターは“個人事業主”という後ろ盾のない存在なので、自衛手段は積極的に身に付けましょう。
労力に見合わない仕事しか手に入らない
仕事の報酬額が、労力に対して極端に安い場合です。Webライティングの仕事は、1記事当たりの”記事単価”や、1文字あたりの“文字単価”で算出されることが多いのですが、これが明らかに安すぎることがあります。特に初心者の間は、実績を積むために労力に見合わない仕事を取らざるをえないことも。
事前に分かっていればまだ納得できるものの、なかには、あとだしで作業量を上乗せしてきたり、仕事を始めて見たら想定の工数では到底終わらなかったりといった場合もあります。もちろんこれらは論外のクライアントなのですが、「そうでしたっけ?」と何気ない態度でシレッとやってくるクライアントもいるので、付き合いたてのころは腹を探りながら仕事をすることをおすすめします。
仕事量が安定しない
フリーランスのWebライターとして活動する場合、仕事が安定するまではコンスタントに営業活動をしながら記事を作成していくスタイルを取ることが一般的だと思います。
自分自身の能力やスキルの売り込みがうまくいかないと、なかなか仕事量を安定させることができません。極端に言うと、「先月は月収が50万円もあったのに、今月は0円だった」ということもあり得るということです。その結果、精神的にまいってしまい、仕事に支障が出てしまうことも…。
病んでしまうと仕事を続けるのが難しいので、Webライターの仕事量はある程度安定しないのが当然と割り切り、自分のメンタルを健全に保つことを第一にしましょう。安定して仕事を振ってくれるクライアントが2~3社見つかれば、自然と仕事量も安定していきます。
Webライターの仕事の実情|仕事時間や日給などの実態
フリーランスのWebライターとして働く場合、どの程度の仕事量をこなさなければならないのかと不安に思う方もいると思うのですが、結論から言うと何文字書いても、何時間書いても、それは個人の自由です。なぜなら「これだけ書かなければいけません」というボーダーラインが設けられているわけではないから。「自分が月にどのくらい稼ぎたいのか」によって働き具合は変わります。月に数千円稼ぎたい方と月に数十万円稼ぎたい方とでは働き方に差が生まれるのは当然ですね。
1日あたりの仕事時間
1日の仕事時間がいったい何時間くらいになるのか(=1日に何文字書く必要があるのか)というのは、目標とする月収と現在の文字単価から計算して導くことができます。計算方法は1時間あたり1000~1500文字書けると仮定して、ノルマ文字数を割る形で仕事時間を算出しています。
ひとまず目安額を1万円と設定してみることにしましょう。すると、下記のようになります。
・1文字0.5円の場合、1時間に稼げる金額は500〜750円です。したがって1日で1万円稼ぎたいなら、だいたい14〜20時間程度の執筆時間が必要となります。
・1文字1.0円の場合、1時間に稼げる金額は1,000〜1,500円です。したがって1日で1万円稼ぎたいなら、だいたい7〜10時間程度の執筆時間が必要となります。
・1文字1.5円の場合、1時間に稼げる金額は1,500〜2,250円です。したがって1日で1万円稼ぎたいなら、だいたい5〜6時間程度の執筆時間が必要となります。
しかしながら、上記の計算はイレギュラーが入らなかった場合にのみ適応されるものだということも覚えておかなければなりません。体調を崩したり、忙しかったり、なかなか集中できなかったり、気分がのらなかったりすると、1時間で書ける文字数が極端に少なくなることがあるからです。そうなればこの計算はいとも簡単に狂ってしまいます。実際に働くときにはそのあたりも考慮していただけると良いかと思います。
1日当たりの日給
Webライターの日給の求め方は「文字単価×文字数」が基本となります。たとえば未経験かつ初心者の文字単価は0.5円程度であることも少なくありませんよね。仮に1文字0.5円として計算するなら、1日に1万文字書くとする場合の日給は5,000円となります。同じ要領で考えると文字単価が1文字1円なら日給は1万円、1文字1.5円であれば日給は15,000円となります。
日給換算でこれだけ稼げるなら、決して悪くないですよね。しかし、実質的には1日に書ける上限があることも忘れてはいけないところです。初心者のうちは1週間かけて5,000文字程度しか書けないこともあります。「1週間もかけて、それしか書けないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、商業用の文章を作るのはなかなか難しいものなのですよ。ただ、中には初めからスラスラと書けてしまう人もいます。これは本当に個人差が大きいものなので、一概に言うことはできません。
仕事の安定性
フリーランスのWebライターとして活動する場合、最もネックとなるのが仕事の安定性ではないかと思います。どこかの編集部と契約しても、場合によっては契約満了を待たずに打ち切られてしまうこともあります。また、単発での仕事を都度請け負うスタイルで仕事をする場合、目が回るくらい仕事量が多い月もあればその逆もあり得ます。仕事の安定性という点においては脆弱であるということも踏まえておいてください。仕事に安定を求めるのであれば、どこかの組織に属した方が良いというのが正直なところでしょう。
Webライターを続けられる人とは?
最近ではWebライターという職業がメジャーになってきたためか、SNSなどでもよく「初月で5万円達成!」「初心者なのに月30万稼げた!」なんて勢いのあるコメントを見かけるようになりました。このような文字を見ると「Webライターは簡単に始められて、しかも簡単に稼げるみたいだし、続けるのも楽そう!」なんて思ってしまいますが、実情はもっと厳しいと考えておいたほうが良いでしょう。さて、Webライターを続けられる人の特徴とは?自分自身と比較して、指標のひとつとしてみるのも良いかもしれません。
いろいろなジャンルを書ける
一括りに「書く」と言っても、たとえばグルメ、旅行、プログラミング、教育などその内容にはいろいろなジャンルがあります。いろいろな物事に興味を持ち、ぜひともいろいろなジャンルに首を突っ込んでみてください。選り好みをせず、いろいろなジャンルの記事を書けるWebライターは息が長いと思います。
特化ジャンルがある
専門スキル、いわゆる専門的な分野の知識があり、それを深堀りできるような記事が書けるというのはまず間違いなく強みになります。「グルメWebライター」「アイドルWebライター」「ゲームWebライター」などとピンポイントの単語をWebライターという肩書きの前に入れることで、そのジャンルのWebライターを探しているクライアントから名前を見つけてもらいやすくなるというメリットもあります。特化ジャンルを身につけることは、営業戦略的にも優れていると言えるでしょう。
SEOライティングができる
SEOとは、簡単に言えば記事を上位にヒットさせるために必要なキーワードのことです。多くの場合、Web記事を書くときにはこのSEOを意識して書きますが、この仕組みをしっかりと理解するのは意外と大変なんです。だからこそ検索順位の上位化に必要なノウハウとPV数をアップさせた実績のあるWebライターはとても需要があります。
営業力がある
Webライターには自分のスキルをクライアントに売り込む営業スキルが必要不可欠です。どんなに素晴らしい文章が書けるのだとしても、それを誰かに“買って”もらえなければ意味がありません。
宝の持ち腐れにならないためにも、営業力を磨いていきましょう!
まとめ
Webライターというのは、安定性に欠けるばかりか、楽に稼げるほどの高額案件もそれほど多くはありません。そして事前のリサーチや下調べに時間がかかるなど、なかなかに泥臭い仕事でもあります。これが「オシャレでカッコ良くて、自由かつ楽に稼げる」なんていうイメージを持たれがちなWebライターの実情です。とはいえ、しっかりと現実を受け止め、なおかつそれなりの覚悟を持てば、夢のある仕事だとも、やりがいのある仕事だとも思います。
Webライターとして活動し出したものの、すぐにギブアップして廃業してしまうなんてことは極力ないようにしたいところですね。文章を作りながらスキルアップをはかっていけば、その努力はいつか必ず報われるはずです!
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